ウサギの足は一見、カメの足に見える。

簡単に外国語が話せるようになりたい。

みんなそう思っている。

僕もそう思っている。


「一番効率的で、一番短期間で、ぺらぺらになれる」


そんな方法を求めている。


そして、勉強に手をつけるも効果を実感できないと、何か他にいい方法があるんじゃないかと考え出し、今やっている勉強を放り投げてしまう。

結局、何ヶ月、何年経っても大して話せるようになっていない。


これって、あるかどうかも分からないウサギの足を探し求めているような状態。

ウサギの足を探している間に、カメの足で歩いてきた人の中には話せるようになる人も出てくる。


別に、カメになることが正しいとは思わない。
地道にやることが全て正しいという訳ではない。

辞書を最初から最後まで暗記するのが正しいとは思えない。
誰だってこの方法が間違っているとは分かる。


言いたいのは、

一見、魅力的に見えない方法でも、実はそれこそ効果的な方法かもしれない

ということ。


正しい方法で勉強すれば、どんな言語も半年くらい勉強すればそれなりには話せるようになると思う。
でも、勉強を始める前にはそれがカメの足に見えるから、その方法で勉強しようと思わない。

6ヶ月で話せるようになれば、十分ウサギの足なのに。

ある程度その方法で勉強すれば、それがカメの足の形をしたウサギの足だって気づくのに。
運良くその方法で勉強し始めても、それがウサギの足だと気づく前に放り投げてしまう。

そして、存在するかどうかも分からないウサギの足を求めてしまう。
ウサギの足の形をしたカメの足に心惹かれたりしてしまう。


語学の勉強方法に限らず、世の中のいろいろな物がこれと同じような状態なんじゃないかと思う。

効率(短期間での成果)を求めるがあまり、本当に効率的な物を見ることができなくなっている。


ウサギの足の形をしたウサギの足を探すのも悪くないが、カメの足の形をしたウサギの足を見抜けるようになりたい。